(10) シェリーマンの夢、トロイア遺跡
−現地で買い求めたガイドブック「トロイア−最新の研究成果」及びダイアモンド社「イスタンブールとトルコの大地」を参考、一部引用した−
このトロイア遺跡は、ギリシャ神話の「トロイ戦争」、また、ホメロス著とされる英雄叙事詩「イーリアス」の舞台である。ドイツ人実業家だったシェリーマン(1822-1890年-アメリカの南北戦争の際、武器輸出で巨万の富を築いた)は、子供の頃聞いたホメロスの叙事詩「イーリアス」が忘れられず、伝説といわれていたトロイ戦争を真実と信じ続け、1870年ついに、このヒサルルクの丘がその遺跡だと断定して発掘に取りかかった。
1873年には、ホメロスの英雄達のものと思われる宝物を発見、密かに国外へ持ち出し、それは今ではドイツを経てロシアのプーシキン博物館にあるという。彼はこのように功罪半ばするように思うが、持続する志、そして実行力 が凄い。
上の図は、遺跡の入場するところにあったもので、各層の遺跡の様子。右の大きい城内の様子は、Toroia Y“Homeric Troia”とあるので、ホメロスの叙事詩の舞台となった時代(Y層 BC1800−1250年)のもの。トロイア遺跡は、このように紀元前3000年から後500年までの間に9層の遺跡が積み重なっている。右上は、現在のトロイア。
T層 BC2920-2500 U層 BC2500 V層 BC2500-2280 W層 BC2280-2100 X層 BC2100-1800 Y層 BC1800-1250 Z層 BC1250-1025 [層 BC900-85 \層 BC85-AD500
下は、遺跡内にあったもので、断面図(城内が拡大して、積み上がっていった様子が分かる)。トロイア戦争の時代は、赤で表示(Y)されているところ。
トロイの木馬(今年5月に作り替えられたばかり)、発掘された大瓶
トロイアY層(BC1800-1250年)の城壁
左:アテナ神殿境内の敷石、中:屋根の一部 右:案内
井戸
トロイアT層(BC3000-2500年)の砦
トロイア1層(BC3000-2500年)の城壁と住居
トロイアU層(BC2500-2300年)のFM門と斜道
トロイアY層(BC1800-1250年)の南門で、トロイ戦争の時この道を通ってトロイの馬を引き入れたといわれている
聖域(Sanctuary)
トロイ[層(BC85-AD500)のオデオン(奏楽堂)
今も続けられている発掘現場
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